クライアント確認事項:F-TOP-001 受講者トップ KPI集計仕様
1. 背景
受講者トップ画面(ログイン後に最初に表示される画面)の冒頭には、数値を大きく表示するKPIカードが並びます。事業所アカウントでは4枚、個人アカウントでは5枚です。
ところが、要件書ではこのカードについて「割り当てられた研修計画の進捗状況・視聴状況を表示する(完了/未受講/進行中)」としか決まっていません。画面設計図(ワイヤーフレーム)に書かれている具体的な数値、たとえば「今月の記録数」「進捗率68%」がどういう計算で出てくるのかは、要件のどこにも根拠がありません。
加えて、「講座を最後まで見た(修了)」とみなす基準についても、社内資料の間で食い違いがあります。修了証(研修計画をすべて終えた方に発行する証明書)についての資料では「視聴が8割に達したら修了」、よくある質問(FAQ)の資料では「9割に達したら修了」と書かれており、このKPIカードの「受講完了 講座数」もこの基準の影響を受けます。
主にご相談したいのは次の4点です。
- 「今月の件数」をどの期間で数えるか
- 講座を「修了」とみなす視聴の到達度
- 事業所アカウントの「進捗率」をどういう基準で数えるか
- 事業所アカウントの「受講証明書」KPIの数え方
2. 現状・課題・影響範囲
2.1 現状(画面設計図に書かれているKPIカードの例)
| 版 | KPI項目 | 画面表示の例 | 決まっていない点 |
|---|---|---|---|
| 事業所版 | 研修計画 進捗率 | 68% | 「進捗」を表示すること自体は要件どおりですが、計算方法が決まっていません |
| 事業所版 | 受講完了 講座数 | 24 / 35 | 何をもって「受講完了」とするかの基準(視聴の到達度)が決まっていません |
| 事業所版 | 受講しました!(今月の記録数) | 18 | 「今月」をどの期間で数えるかの指定が要件になく、推測で置いた値です |
| 事業所版 | 受講証明書(今月の発行数) | 12 | 「今月」で区切ること・事業所版で発行件数を表示すること、いずれも要件に指定がありません。事業所は発行回数で記録する方針との整合も要確認です |
| 個人版 | 研修計画 進捗率 | 75% | 事業所版と同様、計算方法が未定です |
| 個人版 | 受講完了 講座数 | 9 / 12 | 事業所版と同様、判定基準が未定です |
| 個人版 | 受講しました!(今月の記録数) | 7 | 推測で置いた値です |
| 個人版 | 受講証明書(累計発行数) | 12 | これまでの累計を出すのか、期間で区切って出すのか指定がありません |
2.2 ご相談したいこと
上の表のとおり、KPIカードの数値は要件に根拠のない部分が複数あります。特に「講座を修了とみなす基準」は、この画面のKPIだけでなく、修了証が発行される条件や、視聴記録が「完了」と記録される仕組み全体に共通して使われるため、必ずどこか1つの基準に統一する必要があります。それ以外の項目(「今月」の数え方、事業所版の進捗率・証明書の数え方)は、運用してみたときの分かりやすさや開発コストとのバランスで決めていただく論点です。
2.3 この判断が関わる場所
- 受講者トップ画面のKPIカード欄(事業所版4枚/個人版5枚。F-TOP-001)
- 法人管理者トップ・事業所管理者トップのKPI設計(同じ論点の判断が追って必要になります)
- 法人管理者・事業所管理者が見る受講履歴画面での集計基準(受講完了の判定。F-CORP-004・F-SITE-005)
- 修了証(研修計画をすべて終えた方に発行する証明書)が発行される条件(F-TOP-002)
- よくある質問(FAQ)ページでの「修了」の説明(F-CMN-001)
- 視聴記録の集計処理の実行頻度・画面表示の更新間隔
3. 確認ポイント
現場ではこうなります:月が変わった瞬間に件数が0に戻ります。
気になるところ:月の初めは件数が少なく見えます。
現場ではこうなります:常に直近30日分の件数が表示され続けます。
良いところ:月初でも数字が急に減りません。
気になるところ:画面の「今月」という表記と、実際の集計期間(過去30日)にズレが生じます。
現場ではこうなります:これまでの合計件数のみを表示します。
良いところ:集計方法がシンプルで、期間の解釈違いも起きません。
開発の手間:軽め
この基準は、本KPIの「受講完了 講座数」「進捗率」だけでなく、修了証が発行される条件、よくある質問(FAQ)での説明、視聴記録が「修了」と記録される仕組み全体に共通して使われます。社内の資料ごとにばらつきがあるため、必ずどれか1つに統一する必要があります。
現場ではこうなります:動画の8割まで見た時点で「修了」と記録されます。
良いところ:受講者が使う動画再生の仕組みの特性上、最後まで見ていても再生位置が10割ちょうどに届かないまま終わるケースがよくあります。8割であれば、実際には見終えているのに未修了のまま残ってしまう、といった事態を避けられます。
現場ではこうなります:動画の9割まで見た時点で修了となります。
現場ではこうなります:動画の9割5分まで見た時点で修了となります。
現場ではこうなります:動画を最後まで再生しないと修了になりません。
気になるところ:Aと同じ理由で、実際は見終えている受講者が未修了のまま残ってしまう可能性があります。
事業所アカウントは、複数の職員が共有して受講する前提です。
現場ではこうなります:「事業所の職員のうち何人が計画を終えたか」で表示されます。
現場ではこうなります:「事業所として、計画のうち何割の講座を終えたか」で表示されます。
良いところ:事業所管理者が「どの講座がまだ手つかずか」を研修運営の判断材料にしやすくなります。
すでに確定している方針で、事業所アカウントの証明書は「講座ごとの発行回数」で記録することが決まっています。
良いところ:すでに確定している発行回数の記録方針とそのまま一致します。
4. 私たち(開発側)からのおすすめ
Q1=C(累計のみ)/Q2=A(8割)/Q3=B(講座ベース)/Q4=A(発行回数) を推奨します。
- Q1は要件に根拠のない機能です。運用上どうしても必要というご事情がなければ、出さない方が開発・運用のコストを抑えられます。
- Q2は、受講者が使う動画再生の仕組みの特性上、最後の数秒だけ再生位置が10割に届かないまま終わるケースが多いためです(参考:要件書は、受講完了の判定に柔軟性を持たせる方針を示しています)。
- Q3は、事業所として「どの講座が終わっているか」の方が、事業所管理者が研修運営を判断する上で分かりやすい基準だからです(事業所共有アカウントに関する論点とも関連します)。
- Q4は、すでに確定している発行回数の記録方針とそのまま一致する単位だからです。