クライアント確認事項:インフラ・サーバー方針
1. 背景
新システムをどのサーバーで動かし、どう運用するかを決めるための確認事項です。御社からは「現在利用中の Xserver を続けて使いたい」というご要望をいただいています。
一方で、本システムは一般的なホームページとは使われ方が異なります。
- 受講者がログインして使う画面が中心で、動画の視聴記録を数秒ごとに保存し続けます
- 受講履歴は月に約50,000件ずつ増え、3年で約180万件になる想定です
- 利用規模は 2025年時点で500法人、2035年には 2,000法人・200,000アカウントまで拡大する計画です
サーバーの選び方や運用の決めごとが曖昧なまま開発を進めると、公開後に「サーバーを選び直して作り直す」事態になりかねません。開発の前提条件として、以下をご確認ください。
2. 現状・課題・影響範囲
2.1 現状
- メール送信は SendGrid(外部のメール配信サービス)を使う記載が要件にありますが、契約の名義や想定送信量が決まっていません。
- 本番とは別の検証用環境(公開前に動作を確かめる場所)を用意するかが決まっていません。
- サーバーの監視や、ログ(利用・エラーの記録)の保存方針が決まっていません。
2.2 ご相談したいこと
メールの契約は御社の費用負担に直結し、検証環境や監視の水準は開発・保守費用に直結します。業務としてどこまで求めるかは私たちだけでは決められないため、ご判断ください。
2.3 この判断が関わる場所
- 会員に届くメール(パスワード再設定・各種お知らせ)の届きやすさ
- 公開後に機能追加・修正を行うときの安全な確認手順
- 障害が起きたときの気づき方・調べやすさ(保守契約 E8)
3. 確認ポイント
Q1
メール送信はどのように契約しますか?
パスワード再設定や各種お知らせのメールは、サーバー標準のメール機能では「大量に送れない」「迷惑メール扱いされやすい」という難点があるため、外部のメール配信サービス(SendGrid)を使う前提で設計しています。
A
SendGrid(または同等の外部配信サービス)を利用する(推奨)
- 現場ではこうなります:システムからのメールが安定して会員に届きます。
- 良いところ:迷惑メール扱いされにくく、送信できたかどうかの記録も確認できます。
- 気になるところ:月額の利用料が発生します。
- 開発の手間:軽め(この前提で設計済みです)
B
サーバー標準のメール機能を使う
- 現場ではこうなります:送信数が多い時期に、メールが遅れたり届かなかったりするおそれがあります。
- 気になるところ:届かなかったときの原因調査も難しくなります。
あわせて教えてください。
- SendGrid の契約名義(お支払い)は御社・弊社のどちらにするか
- 想定送信量(パスワード再設定や通知のメールが月に何通くらいになりそうか)
Q2
本番とは別に「検証用の環境」を用意しますか?
公開後に機能追加や修正を行う際、いきなり本番へ反映するとトラブルの危険があります。修正をまず試す場所を用意するかどうかの確認です。
A
検証用のサーバー契約を別に用意する(推奨)
- 現場ではこうなります:修正はまず検証環境で動作確認し、問題がなければ本番へ反映します。御社によるリリース前の試し操作(受入確認)にも使えます。
- 良いところ:本番を壊さずに確認できます。
- 気になるところ:サーバー費用がもう1契約分かかります。
- 開発の手間:軽め
B
本番と同じサーバーの中に検証用の場所を作る
- 良いところ:追加費用を抑えられます。
- 気になるところ:本番と設定が混ざりやすく、切り分けが甘くなります。
C
検証環境は持たず、本番に直接反映する
- 気になるところ:反映ミスがそのまま利用者に見えてしまいます。おすすめしません。
Q3
サーバーの監視と、記録(ログ)の保存はどうしますか?
サーバーが止まっていないかを自動で見張る仕組み(死活監視)と、利用・エラーの記録をどのくらい残すかの確認です。
A
弊社側で監視の仕組みを入れ、保守契約に含める(推奨)
- 現場ではこうなります:サーバーの停止やエラーを弊社が自動で検知し、対応にあたります。
- 良いところ:障害に早く気づけます。
- 気になるところ:保守の月額費用に反映されます。
B
御社側で監視の仕組みを用意する
- 現場ではこうなります:検知と一次連絡を御社側で行い、弊社が対応します。
C
監視は行わず、利用者からの報告で対応する
- 気になるところ:障害に気づくのが遅れ、影響が広がりやすくなります。
あわせて教えてください。
- エラー発生時の通知先(弊社のみか、御社のご担当者にも通知するか)
- 記録(ログ)の保存期間(アクセス・エラーの記録:30日/90日/1年。管理者の重要な操作の記録は、個人情報保護の観点から最低3年の保存をおすすめします)
4. 私たちからのおすすめ
- Q1=A(SendGrid 利用・御社名義を推奨)/Q2=A(検証環境を別契約で用意)/Q3=A(監視は保守契約に含める。ログは1年、重要操作の記録は3年保存)を推奨します。
- 根拠は次のとおりです。
- Q1: メールが届かないと問い合わせ対応の負担が増えるため、届きやすさを優先します。
- Q2: 公開後の修正を安全に行うための標準的な構成です。
- Q3: 障害の早期発見と、個人情報を扱ううえでの記録保全のためです。
- ご判断いただいた内容は Phase 1 の開発前提条件として確定し、インフラ・保守(E1・E6・E8・C7)の費用感のご提示に反映します。
5. クライアント回答・確定事項(2026-07-06 受領)
🔄 一部解決(未回答設問あり)|回答受領日: 2026-07-06
5.1 確定一覧
✅ 確定事項
| テーマ | 確定内容 | 備考 |
|---|---|---|
| サーバープランの方向性 | Xserver マネージド専用サーバー(仮想タイプ)を利用する。これ以外は現時点で選択肢にないため確定 | ⚠️ 設計者推奨「C. Xserverビジネス共用」から変更(専用サーバー系の構成) |
| セキュリティ要件 | Spiral(SaaS)を利用する(個人情報は Spiral 側で保管・管理する前提) |
5.2 未反映タスク(確定 → 実装への展開)
- 共通設計(
Z_CMN_実装仕様書.md)・プロジェクト技術スタック記載のホスティング前提(Xserver 標準/ビジネス ※確認中)を「マネージド専用サーバー(仮想タイプ)」前提に更新 - Spiral(SaaS)利用を前提とした個人情報の保管・連携設計への展開(認証・会員情報まわりの実装仕様)
- 負荷・性能系の技術課題(TECH-004・TECH-009・TECH-010・TECH-020)のサーバープラン前提を専用サーバー(仮想タイプ)で再評価